今年で三年目。職業体験学習の講師をしました。
その内容をレポートします。
活動日
平成25年11月13日〜14日(2日間)
受け入れ生徒数
母校である柏市立高柳中学校の生徒3名
体験の概要
地元のコミュニティ「地縁のたまご」より依頼されたテレビ会議システムの導入(本番業務)にかかる以下の作業
- 事前調査
- 提案書作成
- プロポーザル
- テスト・レクチャー
- 納品
結果
- 彼らなりの選定基準に基づき、顧客の満足するテレビ会議システムの導入に成功
本題。
職業体験は、職業訓練ではない。
受託以来、一貫してこの姿勢を貫いてきた。そこは変更せず、今年も本番業務。地元団体と別件とのバーターで仕事を取ってきました。
例年の説明になりますが、本番業務を中学生にやらせるというのは色々とリスクの伴うもの。仕事を取ってくる理屈を作るため、この業務はタダ働きです。
少し説明をすると、この団体は多世代の交流を目途に運営されている、地元の老人団体です。
地域課題解決のためのモデル的な事業として広く認知されており、千葉県知事賞かなんかも取ってしまっているので、結構他団体からの引き合いが多い。代表は全国から講演の依頼が飛び込んでいるみたいだし、この間なんでヨーロッパから視察が来た。地味に凄い団体。
でも、他の団体のために講演ばかりしていると、当の事業が疎かになって本末転倒。そんなわけで手早くサッサと打ち合わせが済ませられるテレビ会議を所望していたわけです。
今回の仕事、当然受託する際に僕なりの「答え」を持っていた。
団体の構成員は老人。お金はカツカツ。
スキル的にもコスト的にも通常のテレビ会議システムは夢のまた夢。
欲しいのは、
高性能なテレビ会議システムではなく、顔を見て話せるインフラ。
結論としてはもう、SkypeかLINEしかない。
でも、既定路線に載せた仕事はつまらない。
というわけで企画から導入まで、実際にやらせてみました。
ポイントは「いわゆるテレビ会議が団体の望む答えではない」事に彼らが気づくかどうか。
そして、短時間で「他人を納得させられるドキュメンテーション」をこなせるかどうか。
1日目の予定は企画会議から提案書作成まで。
終わらないだろうという前提で、腹案のプロポーザル資料は作成してあった。
でもこれは杞憂に終わった。
今年の生徒は非常に優秀。
どのくらい優秀かと言えば、使えない会社員より余程使えるというレベル。
ヒントとして出した「有料のテレビ会議システム、老人は使いこなせる?」という質問で答えに辿り着き、さらに僕の考えていた「Skypeを導入する」というプランを超え、「SkypeもLINEも導入して使い分ける」という提案を出してきた。
現在LINEの国内ユーザ数は既に4700万人。老人層にもユーザは多い。相手先の誰かがスマホを持っていれば即席のテレビ会議が開けるLINEは、確かに導入のメリットが大きい。
要件の整理、メリデメ比較表の作成、導入条件のとりまとめ。たった3人の中学生が、たった4時間で10枚の提案書を作成した。僕の手直しはほとんどなし。これには正直舌を巻いた。
舌を巻いたのは僕だけじゃなくて、次の日提案を受けた代表は何度も、「これは本当に君たちが作ったのか」と聞いていたほど。
結果としてはもちろん提案が認められ、導入する事となった。
2日目はテスト、レクチャー、導入。
こちらも簡単にこなしてしまい、暇を持て余した彼らは午後の空き時間を使って団体ホームページに記事を投稿して帰っていった。
ちなみに、彼らの書いた記事はこんなの。