
ここ数年、巷で騒がれるようになった老害。「うちの親父の老害が最近目立つ」「〇〇部長は老害だな」などと、主に高齢に差し掛かった人々をラベリングされるキーワードとして用いられることが多いようです。その言葉の響きから、老害は高齢な方にしかできないものと思っていませんか?
大丈夫です。若い人でも、これから話すことをキチンとやっていけば、老害になることができるのです。
このテキストでは老害になるためのポイントや注意点について記載します。良く読んで、充実した老害ライフをお楽しみください。
1.新たなもの、異なるものは否定しよう
まず、以下の項目を見て、自分がいくつ当てはまるか確認してみてください。
- 最新の情報を入手するため、日々の生活の中で情報収集を心掛けている
- 情報の入手はテレビ新聞だけでなく、SNSなど他人の見解や意見も見て総合的に判断している
- 自分が興味の無い分野のニュースでも、積極的に入手している
- 自分の得意分野についても、日々情報のアップデートを怠らない
- 他世代・異文化の人がどのような考えを持っているかに興味がある
3個以上当てはまった人は要注意です。
不易流行などと言いますが、本質は常に「不易」です。
社会も、人の心も、テクノロジーも変革しません。自分がこれまで築き上げてきた知見や知識にもっと自信を持ち、変えないことを恐れないでください。
もし、このようなものに出会った場合、恐れずに「こういうの好きじゃないんだよな」「理解できないんだよな」などと意思表明してください。
2.過去の経験を積極的に語ろう
あなたが持つ経験に基づいた意見や知見は、確実に社会の役に立ちます。もし、あなたと違う考え方の後輩がいても、そのような意見は、世間知らずの若輩者が言う世迷いごとに過ぎません。より多く生きてきたあなたの考えが正しいに決まっています。
口では何と言っても、相手はあなたの教えを心待ちにしています。持たぬものに、世界の正しい成り立ちと真理を教えてあげてください。
自分語りは長ければ長いほど、繰り返せば繰り返すほど効果があります。
また、その際に大切なのは、失敗談を挟み込まないことです。
正直、どのような成功談にも幾つかの失敗が混じっているものですし、多くの経験を積んだあなたには、人には言えないような失敗談もあることと思います。
しかし、失敗談を語ることで、相手からの評価が下がる危険性が高いです。他人の失敗から、人は何ひとつ学ぶことができません。むしろ、同じ失敗をし、失敗を経験してこそ、人は成長できるのです。
相手のことを思うなら、失敗談は決して口にしてはなりません。
3.手を動かすな、口を動かせ
人はそれぞれの考え方で物事を進めようとしますが、大抵の場合、それは間違っています。その際、相手がどのようなバックボーンでそうしているのか理解しようとするのは全くもって時間の無駄です。
また、そのようなシーンで自分の意見を押し殺したまま、手伝えば手伝うほど、傷口は深まります。だってそれは、最終的には失敗してしまうのですから。
経験豊富なあなたに求められているのは兵隊としての役割ではなく、指揮官としての意見です。手を動かしている暇があったら、積極的に意見をし、その議論を、その方向性を、より良い方向に導いていきましょう。
4.常ライバルを作り、マウントしよう
時としてあなたのチームには、他の世代の方、異性の方が含まれる場合があると思います。また、世代が同じでも、異なるバックボーンを持った人がいることもあるでしょう。
そのような方は、自分たちの置かれている立場や考え方を必死に説明し、あなたに理解を求めてくるかもしれません。
でも、そのような声に決して耳を傾けてはいけません。そのような甘い考えを持つと、最終的にチームは崩壊してしまいます。
あなたと、あなたのチームがより高みへと到達するためには、ライバルの存在が不可欠です。毅然とした意志を持ち、時には派閥を組み、チームの崩壊を恐れず、積極的に相手を攻撃し、確実にマウントしていきましょう。
ライバルが見当たらないという相談を受けることがありますが、そのような時には少々無理矢理にでも自分と違う点を探し、少しずつでも批判をはじめてみましょう。生まれ、学歴や職業、時には容姿や性別すら批判の対象となり得ます。
何も思いつかない場合、「お前の母ちゃんデベソ」からはじめましょう。
充実した老害ライフを!
いかがでしたか?
以上のポイントさえ押さえておけば、老害になることは今日から可能です。
日々の生活で少しずつチャレンジし、充実した老害ライフをお過ごしください!
というわけで
前置きが長過ぎたが、本題に入る。
もちろん、上記の記事はただの質の悪い冗談である。
ただ、最近とみに感じている。それは、世間で言われている老害は、実は老人に限らず誰しもが陥る可能性のある性向であるということだ。
この年齢になると社会では自分より年齢の低い人と仕事をする機会が多くなってくるし、そもそも小中学生に対する活動の全ては、自分より年齢が低い人を対象としている。
ふと気づくと、自分自身も、上記で語ったような老害のポイントに踏み込んでしまうことがある。
つまり、老害はシニア特融のものではなく、ある程度年齢を重ねてきた人すべてに当てはまる可能性があるということだ。
老害が社会問題になっているのは、単に年長者ほどこのような性向が顕在化する危険性が高く、少子高齢化・社会保障などの趨勢から、年長者が社会活動に参画する機会が相対的に増加しているからに過ぎない。老害は世代の問題だけではなく、個々人の性向の問題である。
自戒の念を込めて、そう思う。